補助金受給企業の探し方|リスト化の視点
gBizINFOなど公的情報を法人番号で突合した「補助金受給歴」「特許」「官公庁調達実績」のシグナルを、営業リストとしてどう捉え、どう活用するかを解説します。
補助金の採択企業を営業リストとして活用したい、という相談は増えています。ものづくり補助金やIT導入補助金などの採択企業一覧はそれぞれの補助金事務局が公表していますが、補助金の種類ごとに探す必要があり、まとめて営業対象として扱うには手間がかかります。本記事では、公的情報から補助金受給歴のある企業を把握する方法と、営業の切り口としてどう活かすかを整理します。
補助金の採択企業情報はどこにあるか
「ものづくり補助金 採択 企業 調べる」といった検索をする方も多いと思いますが、ものづくり補助金の採択者は公式サイトで期(第◯次締切分など)ごとに公表されており、複数期にまたがって確認しようとすると、回を追ってPDFを開き直す作業が発生します。事業再構築補助金やIT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金なども同様に、それぞれ別のサイトで採択者一覧が管理されており、複数の補助金を横断して一覧化しようとすると、地道な突合作業が必要になります。
一方、gBizINFOでは法人番号をキーに、補助金の受給歴・特許情報・官公庁調達実績など複数の公的情報がまとめて公開されています。営業GO!では、このgBizINFOなどの公表情報を法人番号で法人データベースと突合し、企業ごとに保有シグナルとして表示しています。どの補助金を受けたかという個別の名称までは特定できませんが、「受給歴があるかどうか」を軸に企業を絞り込むことができます。
営業GO!のデータで確認できる件数
現時点で、営業GO!に登録された5,321,656社のうち、次のような公的シグナルを保有する法人が確認できます。
- 補助金の受給歴あり: 163,447社
- 特許等あり: 137,743社
- 官公庁調達の実績あり: 39,870社
いずれもgBizINFOなど公的なオープンデータを法人番号で突合したものであり、独自にクローリングして収集した情報ではありません。国税庁の法人番号公表データを毎日反映しているため、対象企業の名簿は継続的に更新されます。
なぜ営業の手がかりになるのか
これらの情報が営業の手がかりになりうる理由は、主に3つ考えられます。
1. 設備投資や新規事業に動いている可能性がある 補助金は設備投資や新規事業の立ち上げに紐づくケースが多く、受給歴がある企業は、過去のどこかの時点で事業を前に進めようとしていた可能性があります。現在も同じ方向で動いているとは限りませんが、投資への抵抗感が低い企業層である可能性はあります。
2. 官公庁調達の実績は与信の一つの目安になる 官公庁との取引実績がある企業は、契約や審査のプロセスを一定程度経ています。すべてを保証するものではありませんが、初めて接点を持つ企業を判断する際の材料の一つにはなります。
3. 特許を持つ企業は提案の切り口が変わる 特許等を持つ企業は技術志向が強く、価格の安さよりも技術的な優位性や差別化に関心を持つ傾向があります。同じ商材でも、訴求するポイントを変える余地があります。
「補助金を受けた=資金に余裕がある」ではありません
ここで注意したいのは、補助金の受給歴を「資金的に余裕がある企業」と短絡的に解釈しないことです。補助金の多くは後払い(精算払い)であり、採択されてから実際に入金されるまでの間、むしろ資金繰りに動いている局面であることも珍しくありません。設備投資のための借入と補助金の入金タイミングがずれ、一時的にキャッシュフローが厳しくなるケースもあります。
補助金受給歴は「投資や事業拡大に動いた事実があった」というシグナルであり、それ以上でもそれ以下でもない、という前提でアプローチを組み立てることをおすすめします。特に資金繰りに関わる提案をする場合は、決めつけた言い方を避け、まず状況を伺う姿勢が大切です。
アプローチする際の考え方
補助金受給歴・特許・官公庁調達実績は、あくまで会話の入口として使う情報です。「補助金を活用されたと伺いましたが」といった切り出し方は、相手によっては唐突に聞こえることもあるため、まずは業種や事業内容から自然に会話を始め、必要に応じて話題として触れる程度にとどめるのが無難です。
また、どの補助金をいつ受けたか、金額はいくらかといった具体的な内容までは営業GO!のデータには含まれません。詳細は商談の中で相手に確認する前提で、あくまで「話しかけるきっかけ」として使う情報だとご理解ください。
都道府県・業種と組み合わせて絞り込む
補助金受給歴や特許の有無だけで対象を絞ると、母数が全国十数万社規模になり、営業リストとしてはまだ広すぎます。実務では、都道府県や業種、従業員規模と掛け合わせて対象を絞り込むのが現実的です。
例えば建設業は全国に829,078社あり、都道府県別では東京都68,688社、神奈川県68,651社、大阪府43,025社の順に多い業種です。ここに補助金受給歴や官公庁調達実績を掛け合わせれば、地域と業種が絞られた分、より具体的な営業対象として扱いやすくなります。
なお、建設業のうち電話番号を保有している法人は379,553社(45.8%)にとどまります。営業GO!全体で見ても電話番号の保有率は13.1%、メールアドレスは4.4%と、すべての企業に直接連絡できるわけではありません。補助金受給歴のような公的シグナルで対象を絞り込めても、連絡先が揃っているとは限らない点は、リストを作る段階であらかじめ想定しておく必要があります。
まとめ
補助金受給歴・特許・官公庁調達実績は、企業が動いているタイミングを推測する材料になりますが、断定的な判断材料ではなく、あくまで会話のきっかけの一つです。営業GO!では、これらの公的シグナルを都道府県・業種・従業員規模などと組み合わせて絞り込み、営業リストとして活用いただけます。国税庁の法人番号公表データを毎日反映しているため、対象企業を継続的に見直しながらご活用ください。