法人格別の法人数|有限会社は150万社健在
全国532万社を法人格別に集計。有限会社が150万社残る理由と、合同会社が増えている背景、営業リスト作成での活用法を解説します。
「有限会社って今どれくらい残っているの?」を数字で確認する
営業リストを作るとき、あるいは取引先の登記情報を見ていて「有限会社って、まだそんなに残っているのか」と感じたことはないでしょうか。2006年の会社法施行以降、有限会社は新規に設立できなくなりました。それでも街には今も「〇〇有限会社」の看板が残っています。
本記事では、営業GO!が保有する国税庁の法人番号公表データ(2026年8月時点、全国5,321,656社)をもとに、法人格別の内訳を実数で確認し、営業リストの母集団設計にどう活かせるかを解説します。
法人格別の内訳(全国5,321,656社)
| 法人格 | 法人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 2,658,074社 | 約49.9% |
| 有限会社 | 1,506,344社 | 約28.3% |
| 合同会社 | 449,032社 | 約8.4% |
| その他の設立登記法人 | 217,142社 | 約4.1% |
| 宗教法人 | 170,997社 | 約3.2% |
| 合資会社 | 89,255社 | 約1.7% |
| 特定非営利活動法人(NPO) | 49,425社 | 約0.9% |
| 医療法人 | 34,560社 | 約0.6% |
※いずれも営業GO!のデータベースにおける実測値です(2026年8月14日時点)。
上記8分類だけで全体の約97%を占めます。残り約3%は、財団法人・社団法人など、上記に含まれないその他の法人格です。
株式会社が全体の半数を占め、次いで有限会社が約4分の1強を占めています。この2つで全体の約8割です。営業リストを何も絞らずに使うと、宗教法人・医療法人・NPOなど、一般的な営業対象になりにくい法人まで母数に混ざってくる点には注意が必要です。
有限会社が150万社残っている理由
有限会社は2006年の会社法施行によって新規設立ができなくなりました。しかし、それ以前に設立された有限会社は「特例有限会社」として、商号や組織をそのまま存続させることが認められています。株式会社への商号変更を選ばなかった会社が、今も有限会社として活動を続けているわけです。
ここから導ける事実は一つです。現存する有限会社は、すべて設立から20年以上が経過した法人だということです。会社法施行前に設立された会社は、当然ながらそれ以前から事業を営んでいるため、実際の創業年はさらに古いケースも珍しくありません。
この事実は、営業リストを組む上で参考になります。有限会社という法人格そのものは、経営者の高齢化や事業承継といった課題を抱えている可能性が、株式会社全体や合同会社と比べて相対的に高い母集団だと考えられます。ただし、これは母集団としての傾向であって、「有限会社だから後継者がいない」と個別の会社について断定できるものではありません。あくまで、アプローチする際の前提知識として押さえておく、という位置づけです。
事業承継支援、M&A仲介、税務顧問など、経営の先を見据えた提案を行う業種にとって、有限会社という切り口は母集団の性格を絞り込む一つの手がかりになります。
合同会社は「新しく・小さい」法人が多い傾向
合同会社は449,032社で、全体の約8.4%を占めます。株式会社や有限会社と比べると設立コストが低く、決算公告の義務もないため、近年の新規設立で選ばれることが多い法人形態です。
有限会社とは対照的に、合同会社は比較的新しく設立された、小規模な法人が多い傾向にあります。スタートアップや個人事業からの法人化、副業の延長で立ち上げた会社など、母集団の性格は有限会社とはかなり異なります。新しいサービスの提案や、フットワークの軽い意思決定を期待できる相手を探す場合には、合同会社を中心に据えたリスト設計が有効な場面もあるでしょう。
営業対象になりにくい法人格にも注意
法人番号は、株式会社や有限会社だけでなく、宗教法人(170,997社)、特定非営利活動法人(49,425社)、医療法人(34,560社)にも付番されています。これらは通常のBtoB営業ではターゲットになりにくい法人です。合わせて約25.5万社が、全国の法人データの中に含まれています。
エリアや業種だけで絞り込んだつもりでも、法人格を指定しなければ、これらの法人がリストに混入する可能性があります。営業リストを作成する際は、法人格の絞り込みを業種・エリアと並ぶ基本条件として意識しておくことをおすすめします。
営業リスト作成での活用ポイント
法人格による絞り込みは、単なるノイズ除去にとどまりません。母集団そのものの性格を変える設計要素として使えます。
- 株式会社に絞る:最も汎用性の高い母集団。業種・エリアとの掛け合わせが前提になる場面が多い
- 有限会社に絞る:設立から20年以上経過した法人が中心。事業承継・相続・資産防衛などのテーマと相性がよい可能性がある
- 合同会社に絞る:比較的新しい法人が中心。新規性の高いサービスや、意思決定の速さを期待するアプローチに向く可能性がある
- 宗教法人・医療法人・NPOを除外する:一般的なBtoB営業リストのノイズを減らす基本操作
営業GO!では、都道府県・市区町村のエリア、大分類20・中分類98・小分類484の業種に加えて、法人格でも絞り込んだ上でCSVダウンロードが可能です。
リストの限界も正直にお伝えします
営業GO!のデータは、国税庁の法人番号公表データを毎日反映しており、新設・商号変更・移転・閉鎖といった変化を捉えられる点が強みです。ただし「登記情報が常に最新」というわけではなく、あくまで法人番号公表データに基づくものである点はご理解ください。
また、連絡先情報の保有率には限りがあります。商号・所在地・法人番号は全社ぶんある一方、出所を確認できた連絡先は、電話番号が約13%、Webサイトが約14%、代表者名が約10%、メールアドレスが約4%にとどまります。法人格で母集団を絞り込んでも、この連絡先の保有状況自体は変わりません。テレアポやDM中心の営業を計画する場合は、この保有率を前提に、必要件数を多めに見込んでおくことをおすすめします。
まとめ
法人格別の内訳を見ると、株式会社が約半数、有限会社が約4分の1強を占め、この2つで全体の約8割を構成しています。有限会社は新規設立ができなくなって20年が経つ、いわば「老舗」の母集団であり、合同会社は比較的新しい法人が中心という、対照的な性格を持っています。
エリア・業種に加えて法人格でも絞り込むことで、営業リストの母集団の性格をコントロールできます。営業GO!では、こうした条件を掛け合わせた上でCSVダウンロードができますので、リスト設計の一つの選択肢として活用いただければと思います。